シジュウム専門店はアトピー花粉症を専門にするお店です。

   
 
 
  ごく少量のアレルゲンによるアレルギー性気道炎症の発症機序を解明 
  [学校法人 順天堂]
〜 皮膚感作と吸入抗原の酵素活性が気道炎症の原因となる 〜

順天堂大学大学院医学研究科・アトピー疾患研究センターの高井敏朗 准教授らの研究グループは、アレルギーを引き起こすダニや花粉の抗原に含有されるプロテアーゼ活性(タンパク質分解酵素活性)が抗原感作*1成立後の気道炎症の発症に重要な役割を果たすことを明らかにしました。これは、プロテアーゼによって損傷された気道上皮から放出されるサイトカイン(IL-33) *2が抗原特異的T細胞*3に作用し、ごくわずかな吸入抗原量で発症に至る新たな機序によるものであり、アレルギーマーチ*4 などの予防や治療法の開発につながると期待されます。本研究成果は米国アレルギー・喘息・免疫学会発行の科学雑誌Journal of Allergy and Clinical Immunologyのオンライン版(日本時間2018年2月6日)で公開されました。
【背景】
皮膚を介した抗原感作が起点となる喘息・鼻炎や食物アレルギーなどは、いわゆるアレルギーマーチに発展することがわかってきています。経皮抗原感作が成立した後の異所(呼吸器・消化管など)でのアレルギー性炎症の発症には、T細胞やIgE抗体などの獲得免疫系が関与すると考えられていますが、なぜごくわずかな量の抗原にT細胞が過敏に反応するのかはよくわかっていませんでした。そこで私たちの研究グループは、経皮感作後の最初の抗原吸入で気道上皮に何が起こっているのかを明らかにするため、実際の環境下で抗原が有する特性に着目して作用機序を調べました。
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  時事通信社2018/2/7
  アトピー乳児の卵アレルギー、少量摂取で発症抑制 学会が推奨
 
日本小児アレルギー学会は16日、卵アレルギーの疑いがあり、アトピー性皮膚炎にかかった乳児に対し、生後半年から少量の卵を食べることを推奨するとの提言を発表した。原因となる食材は与えないとする考え方が根強い中、卵を早くから食べることで発症を抑えられるという研究成果を踏まえた。家庭で実践する際、専門医の指導を受けるよう求めている。  
食物アレルギーは体内に入った病原体などを排除しようとする免疫が食べ物を有害とみなし、不必要に攻撃することで起こる。卵アレルギーは食物アレルギーの中で最も多く、食べた直後にじんましんや下痢などの症状が出る。ショック状態になると死亡することもある。  
アトピー性皮膚炎と診断された生後半年未満の乳児で、血液検査などでリスクが高いとわかった場合が対象となる。皮膚炎を治療して湿疹が出なくなってから始める。生後6〜8カ月はゆでた白身0.2グラムをメドに毎日食べ、その後は段階的に量を増やす。  
国立成育医療研究センターなどが昨年、離乳早期から少量の卵を摂取することで8割がアレルギーの発症を予防できるとの結果を発表。同学会の海老沢元宏理事は「摂取を遅らせる従来の指導では患者が増えてしまう。医師だけでなく一般の人にも知ってほしい」と話した。
   日本経済新聞2017/6/16
  たばことアトピー性皮膚炎…妊娠中、赤ちゃんに影響
 
肺疾患や気管支ぜんそくなど、体に様々な悪影響を及ぼすことが指摘されている喫煙。最近の研究では、妊婦の喫煙や受動喫煙によって、生まれてきた赤ちゃんが、アトピー性皮膚炎や乳児湿疹になるリスクが上がる可能性があることがわかった。(鈴木希)
 アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う皮膚炎で、免疫の過剰反応であるアレルギーを持つ場合が多い。子どもの場合、比較的よくみられる乳児湿疹が2か月以上続いた場合などに診断される。発症には、親から受け継いだ体質が関わっているとの見方もある。 慶応大学病院皮膚科の医師・海老原 全(たもつ)さんによると、アトピー性皮膚炎は、かゆみ、睡眠不足のほか、患部からしみ出す液の対処や薬の塗布、見た目の変化などによって、生活の質が大きく低下するという。 子どもや妊婦に対する喫煙・受動喫煙の影響としては、早産や低体重などの妊娠中や出産時のトラブル、出生後の乳幼児突然死症候群や気管支ぜんそくなどの発症リスクが高まることがこれまでの研究で指摘されている。 これらに加えて、子どものアトピー性皮膚炎も、母親のおなかの中にいる時期のたばこの煙が関係していることが明らかになってきた。 続きを読む
   YOMIURI ONLINE2017年6月7日
  日用品メーカー、ダニ駆除剤を積極投入 ぜんそく・皮膚炎など予防効果を訴求  
 
湿度が上がり「ダニ」が繁殖しやすくなる梅雨の季節が近い。住環境で繁殖に適する条件が重なると、150万匹ものダニが発生することもあるという。そこで注意が必要なのが、ダニによる健康被害。アレルギー疾患の中で、アトピー性皮膚炎や小児ぜんそくの原因の一つとして挙げられる。室内にダニが繁殖しないために、効果的な対策が大切。日用品メーカーはダニの季節を前に、駆除剤を積極的に投入している。(山下絵梨) 【患者数急増】 ダニは、昆虫ではなくクモの仲間。室内にいるダニの8割が「ヒョウヒダニ」だ。0・3ミリ―0・4ミリメートルほどの大きさで、布団やぬいぐるみ、じゅうたんなどに多く発生する。人を刺すことはないが、人のフケやあか、食品カスなどを餌に繁殖する。ダニの死骸やふんを人が吸い込むと、ぜんそく、皮膚炎、鼻炎、結膜炎などのアレルギー疾患を引き起こす原因となる。 厚生労働省の調査によると、国内の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患にかかり、患者数は急速に増加している。ダニは気温25度C、湿度60%で急速に増える。近年、断熱性能を高めるため気密性を強化した住居などが増えたことも、ダニが室内にまん延する原因になっている。 続きを読む    ダニ対策布団カバー
  日刊工業新聞2017年5月24日
  小児食物アレルギーの発症予防――最近の知見から 
 
 以前は,食物アレルギーの原因として「未熟な腸」が感作の場になると考えられたため,食物アレルギーの発症予防として乳児期の食物除去が推奨された時代がありました。しかし近年になり,食物アレルギーの感作の中心的な場は「炎症のある皮膚」(アトピー性皮膚炎)であることが明らかにされ,経口摂取はむしろ免疫寛容をもたらすことがわかってきました。  さらに2015年以降,卵やピーナッツなどの食物アレルギーの頻度が高い食品を乳児期早期に摂取するほうが食物アレルギー発症が少ないとするランダム化比較試験(RCT)が発表され,システマティックレビューでも同様の結果が報告されています。
 2000年代前半までは,食物除去によって食物アレルギーの発症が予防できるかもしれないと考えられていました。しかし,近年になり真逆の結果が報告され,乳児期早期からの摂取開始が食物アレルギーの発症予防になることが明らかにされました。これらの中から,重要な3つの研究を紹介します。続きを読む
  医学書院 2017年5月8日
   
  アトピーにステロイド必須? 
   
  医師らが新臨床研究論文
 アトピー性皮膚炎の治療はステロイド外用剤を塗るのが標準的な治療法。大阪府の医師ら8人がステロイドを使用しなくても同程度の効果があるとの臨床研究結果を論文にまとめた。ステロイドを使いたくない親がいるだけに、改めて使用の是非に一石を投じる形だ。
 臨床研究をまとめたのは、佐藤小児科(堺市)の佐藤美津子医師や元国立名古屋病院の深谷元継医師ら8人。2015年、7医療施設でアトピー性皮膚炎の患者300人を対象に6カ月、ステロイド剤を使用せずに経過を観察し、使用前と後で症状がどう変化したかを調べた。  患者は乳幼児(0〜1歳)118人、小児(2〜12歳)80人、思春期以降(13歳以上)102人の3群。その結果、「症状がよくなった」か「完全に治癒した」改善率は乳幼児で75%、小児で52%、成人で80%だった。特に乳幼児では118人のうち28人がアトピー性皮膚炎の症状が消え、完全に治った。 一方、ステロイド外用剤を使った場合の効果を調べた古江増隆・九州大教授らが03年に発表した研究報告では、改善率は乳幼児で36%、小児で40%、成人で37%だった。  
●多い「自然に改善」  
この比較結果を英語の論文で発表した佐藤医師は「ステロイド外用剤を使っても、使わなくても大きな差はないといえる。他に比べる論文がないので、確実なことが言える段階ではないが、少なくとも乳幼児ではステロイド外用剤を使わなくても自然によくなるケースが多い」と話す。  佐藤医師は3月半ば、大阪市で開かれた近畿小児科学会で発表した。会場の医師からは「ステロイド剤を使用せずに自然に治ったなら、アトピー性皮膚炎ではなかったのでは」「ステロイド剤を使っても使わなくても、結果に大差がないならば、ステロイド剤を使ったほうがよく眠れたり、途中で皮膚をかきむしったりすることが少ないので、むしろ使ったほうがよい」などの意見が聞かれた。  こうした議論は、いまも皮膚科医師の間で続く。佐藤医師は「ステロイド外用剤の使用自体を否定するわけではない。ただ、ステロイドを使いたくないという親が少なからずいるので、そういう親が受診してきたら、その気持ちをくんだ治療法も考えてほしい」と学会で訴えた。  

●たんぱく質摂取を  
基本的にステロイド外用剤を使わない方針の佐藤医師も単に放置するわけではない。皮膚の再生を促すために豆腐や魚、肉類でたんぱく質をしっかりと取るように指導している。母乳だけではたんぱく質が不足しがちなため、ミルクを足したり、離乳食にも豆腐や鶏のささみを利用したりする。かゆいときは我慢させず、かき過ぎない程度にかかせる。  アトピー性皮膚炎の1歳10カ月の息子を連れて佐藤小児科を受診していた母親(37)は「ステロイドも保湿剤も使わず、約1年で知らないうちによくなった。夜にかゆくて泣きましたが、気にせずに放置したら、泣かなくなった」と話す。親子が別々に寝て、夜に子供が泣いても気にせずにいることも勧めている。佐藤医師は「乳幼児の場合は、湿疹を重大なものと思わず、焦らず、こんなものかと気長に待つ気持ちが大切」と話す。  

●患者に合わせ治療  
一方で炎症が悪化しているときに医師がそのまま放置するのは難しい事情もある。近畿小児科学会で座長を務めた住本真一・大阪赤十字病院副院長(小児科部長)は、古江氏の研究とは対象が異なるとして、比較が適切かどうかという問題を指摘しつつ、佐藤医師らの研究にも一定の意義を認める。「ステロイド外用剤の適切な使用が有効な治療法というのが専門家のコンセンサス。しかし、ガイドラインの示す治療がすべてでもなく、医療の現場で患者さんの気持ちに合わせて治療するのも医師の技量です」【小島正美】  
   毎日新聞2017年4月8日
   
   アトピー性皮膚炎の発症・悪化・予防に関わる二重スイッチ
 
  −数理モデルを用いて各患者に適した治療法の開発に貢献−
要旨
理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター サイトカイン制御研究チームの久保允人チームリーダー、統合細胞システム研究チームの岡田眞里子チームリーダー、インペリアル・カレッジ・ロンドンの田中玲子講師、ダブリン大学トリニティ・カレッジのアラン・アーヴァイン教授らの国際共同研究グループは、アトピー性皮膚炎の発症および悪化のメカニズムを解明するための「二重スイッチ数理モデルを構築し、コンピュータシミュレーション解析を行いました。

アトピー性皮膚炎は、日本を含めた先進国の乳幼児によくみられる炎症性皮膚疾患で、主な症状は、強い?痒(そうよう)感が繰り返し起こる湿疹です。発症には家族歴、アレルギー既往歴、環境要因、遺伝的要因などが関係していますが、個々の要因だけでは説明できない複雑な疾患だと考えられています。そのため、アトピー性皮膚炎の発症・悪化のメカニズムはいまだに明らかになっていません。 今回、国際共同研究グループはそのメカニズムを解明するために、二重スイッチ数理モデルを構築し、シミュレーション解析を行いました。この数理モデルでは、免疫系、皮膚バリアの機能、環境要因などの複雑な相互作用が、経時的にどのように変化しアトピー性皮膚炎の発症・悪化につながるのか、それらの相互作用が遺伝的要因によってどのように影響を受けるかを予測しました。そして、アトピー性皮膚炎のメカニズムを、発症を起こすが元に戻りうる“可逆的なスイッチ1”と元に戻らない“非可逆的なスイッチ2”の二重スイッチで表現しています。具体的には、アトピー性皮膚炎の進行には@炎症を発症させるスイッチ1と2型ヘルパーT細胞(Th2細胞が活性化し症状を悪化させるスイッチ2が関わっていること、Aスイッチ1が頻繁にオンになると、スイッチ2がオンになると表現しました。そして、この数理モデルをシミュレーション解析した結果、臨床やマウスモデル系から得られるデータとよく一致し、二重スイッチ数理モデルの妥当性が証明されました。 保湿剤を皮膚に塗った乳児はアトピー性皮膚炎を発症しにくいことが臨床試験により示されています。

今回の解析によって、
@保湿剤を使うことで皮膚バリアを強化し、症状悪化のサイクルを止めることが効果的な予防法であること、
Aこの予防法が遺伝的要因の有無に関わらず全ての患者に効果的であることが分かりました。

今後、本手法を各患者データと組み合わせることにより、それぞれの患者に対する必要な治療法の具体的提案が可能になると期待できます。 本研究は、米国の科学雑誌『Journal of Allergy and Clinical Immunology』に掲載されるのに先立ち、オンライン版(12月5日付け)に掲載されました。
   理化学研究所サイトより2016年12月15日
   
ゆで卵少量ずつ食べて卵アレルギー発症を80%抑制 
 
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、卵アレルギーになるリスクが、高いことが知られていますが、生後6か月の段階からゆで卵をごく少量ずつ食べさせると1歳になったとき、卵アレルギーの発症を80%抑えられたとする研究成果を国立成育医療研究センターなどのグループが発表しました。この研究を行ったのは、国立成育医療研究センターの大矢幸弘医長らのグループです。
グループでは、生後まもなくアトピー性皮膚炎になった赤ちゃん121人を2つのグループに分け、生後6か月の段階で一方のグループの赤ちゃんには加熱した卵の粉末50ミリグラムを、もう一方のグループの赤ちゃんにはカボチャの粉末を毎日食べてもらいました。さらに生後9か月からは卵の量を250ミリグラムに増やし、1歳になった時点でゆで卵半分に相当する7000ミリグラムの卵の粉末を食べてもらいました。
その結果、卵をずっと食べていた赤ちゃん60人のうち、卵アレルギーを発症したのは5人だけでしたが、カボチャの粉末を食べた61人では23人が発症したということでグループでは、ごく少量の卵を食べることでアレルギーの発症を80%抑えることができたとしています。

グループによりますと国内ではアレルギーを懸念して幼いうちに卵を食べさせない傾向が強く、3歳児全体の6%近くが医師の指示で摂取を制限しているということです。
大矢医長は「生後6か月ごろから少量ずつ食べ始めたほうがよい結果になることが証明できた。今後はできるかぎり早期から治療することで、子どものアレルギーを減らしていけるようにしたい」と話しています。
 NHKニュース2016年12月9日
 
  皮膚に常在するカビがアトピー悪化の原因に
   
  アトピー性皮膚炎の原因には「遺伝因子」と「環境因子」があります。遺伝因子は生まれつき皮膚のバリアー機能が弱いことです。一方、ダニやハウスダスト、食品などのアレルゲンや汗などの刺激物質が環境因子で、アトピー性皮膚炎の悪化要因となります。マラセチアも、環境因子の一つです。
カビというと湿気で生じる部屋やお風呂のカビが思い浮かびますが、このマラセチアは皮膚にすみついていて、常在菌といわれるものです。常在菌はヒトの体に存在する細菌やカビなどの微生物のうち多くの人に共通し、通常は病気の原因にはならないものをいいます。 マラセチアも、普段は皮膚にいても問題となりません。が、風邪をひいたり、睡眠不足などによる免疫低下が起こったりすると、菌の数が急増します。このため、マラセチアのアレルギーがある場合、菌が増えることでアレルギー反応が起こり、アトピー性皮膚炎が悪化しやすくなるのです。
マラセチアに対するアレルギーがあるかどうかは、検査をすればわかります。アレルギー検査は、アレルゲンに反応するIgEという抗体が体の中にあるかどうかやその量を調べるもので、血液を採取して行います。マラセチアに限らず、自分がどのようなアレルゲンに反応するかを知っておくことは、アトピー性皮膚炎の悪化予防のために大切です。アレルギー検査がまだという方はぜひ、検査を受けてください。 ただし、どのアレルゲンの場合も、IgEの値と実際のアレルギーの程度は必ずしも一致しません。ですから、IgEが高いからといって、すべてのアレルゲンを避ける必要はなく、患者さんにみられる症状とあわせて、治療法を検討することになります。マラセチアの場合はアレルギー検査の結果と、皮膚の発疹などから判断していきます。マラセチアがアレルゲンとして疑われる場合は、カビを取り除く効果のある抗菌せっけんで体を洗うことを指導しています。
   
   
  室内のダニ じゅうたん有りは無しの約4倍  
   
  一部の地域で梅雨入りし、気温と湿度が高くなる時期は、さまざまな生物が活発になります。ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの主原因となるダニも梅雨時に増殖する生物です。今回は、室内のじゅうたんの有無によるダニの生息密度を調べてみました。  
調査は、関東地方の住宅38軒の寝室で行いました。対象としたのは、ハウスダストの中に潜み、人のフケなどを餌にしているコナヒョウヒダニです。  
床に1分間、掃除機をかけてダスト(ほこり)を集め、その中に含まれるコナヒョウヒダニを数えました。38軒のうち32軒は「じゅうたん無し」、6軒は「じゅうたん有り」でした。  
1分間で集まったダスト量は、床面積1平方メートル当たり、じゅうたん無しが平均0・53グラム、有りは同2・96グラム。じゅうたん有りが無しの約3倍でした。ダストに含まれるコナヒョウヒダニの数は、じゅうたん無しが平均187匹、有りが平均796匹で、有りは無しの4倍以上に上りました。  
じゅうたん有りにダニが多いのは、掃除のしやすさに関係があるとみられます。例えば、フローリングは表面が平滑でゴミがたまりにくいですが、じゅうたんは繊維の隙間にゴミが引っ掛かり、掃除機で吸引しても取り除きにくいのです。また、コナヒョウヒダニは暗い場所に逃げ込む性質があり、じゅうたんの繊維の隙間に潜り込んでいることもあります。 防ダニ布団カバー
  産経ニュース2016.6.3
   
  アトピー性皮膚炎のメカニズム、理研が解明 ワセリンで予防の可能性 
   
  理化学研究所は4月26日、アトピー性皮膚炎の原因遺伝子を突き止め、ワセリンを塗ると発症を予防できる可能性があるとの研究成果を発表した。新たな治療法や予防法の確立につながるという。
 アトピー性皮膚炎を自然発症するマウスを作製し、病気の原因となる遺伝子変異を調べたところ、細胞の増殖や分化に必要なたんぱく質「サイトカイン」を伝達する「JAK1」分子の遺伝子配列に突然変異が生じていることを発見した。JAK1の異常が角質をはがす酵素「プロテアーゼ」にも影響し、角質による保湿効果が低下することで、アトピー性皮膚炎を招く??というメカニズムを解明した。
 こうしたマウスの表皮に、JAK1の働きを阻害する薬剤や、保湿効果を高めるワセリンを塗布したところ、発症を遅延・予防できた。発症前に皮膚バリアの破壊を防ぎ、角質の適切な新陳代謝を促すことがアトピーの予防につながることが分かった。
 同研究チームが、人間のアトピー患者の皮膚も調査したところ、6人中4人が同様の遺伝子異常を起こしていた。今後、遺伝要因だけでなく、皮膚や免疫力、環境など、他の複数の発症要因を分子レベル、遺伝子レベルで検討し、予防法や治療法確立につながる可能性があるという。
 成果は、米科学雑誌「Journal of Clinical Investigation」(電子版)に現地時間25日付で掲載された。  
   ITMediaニュース2016年4月26日
   
  ぜんそく・アレルギーの子ども、避難生活での注意点は 
   
  ぜんそくや食物アレルギーなどがある子どもは、避難生活で環境が変わると症状が悪化する恐れがある。東日本大震災でも問題になっており、日本小児アレルギー学会は、親などを対象にしたネットでの相談窓口を開設した。
(学会が公表している災害時の対応法)
毛布や布団にはぜんそくの原因となるダニ、ほこりがついており、寝るときには顔が触れる部分にきれいなタオルをあてることを提案。敷いたりたたんだりするときには子どもを近づけないようにし、マスクを着用させることを勧めている。 シャワーや入浴ができないとアトピー性皮膚炎が悪化しやすいので、ぬらしたタオルで汗や汚れをやさしく拭く。市販のウェットティッシュやおしりふきは肌があれることがあり、注意が必要という。 患者用のミルクや食品を持たずに避難することもありうる。学会理事長の藤沢隆夫・国立病院機構三重病院長は「自治体が備蓄しているので問い合わせるとよい。ミルクがすぐに手に入らない場合は、脱水症状を起こさないように水を飲ませてほしい」と話す。 相談は学会の電子メール(sup_jasp@jspaci.jp)へ。名前、年齢、性別、住所、電話番号を記載する。緊急性や症状に応じて医師から連絡がある。 また、日本循環器学会や日本静脈学会など循環器系6学会は17日、血液が固まりやすくなって起きる肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)に注意を呼びかける声明を出した。避難生活を送る人たちに向けて、車のシートに座った姿勢で長時間眠らないことや足首を動かす運動を時々すること、十分に水分を補給することなどを求めている。 肺塞栓症は、足の静脈にできた血栓(血の塊)が、流れて肺の血管を詰まらせる病気。呼吸困難や胸の痛みのほか、命にかかわる場合もある。新潟県中越地震などでは、車中に泊まっていた被災者で肺塞栓症による死亡が確認された。
  朝日新聞 2016年4月17日
   
   カニの殻 . 捨てるとこなし? 成分がアトピーに効果 鳥取大・東助教ら確認 /鳥取
   
  カニの殻から作られた極細繊維物質「キチンナノファイバー」(キチンNF)がアトピー性皮膚炎の治療に効果があることを、鳥取大農学部の東和生助教(30)=獣医外科学=らの研究グループがマウスを使った実験で確認した。副作用のある既存薬の使用を少なくできる可能性があるという。【高嶋将之】
キチンはカニの殻に20?30%含まれる多糖類の物質。エビや昆虫、キノコなどからも抽出できる。鳥取大農学部はこれまでに、キチンを直径10ナノメートル(ナノは10億分の1)程度のジェル状にしたナノファイバーの作製に成功。医薬品や化粧品、食品などさまざまな分野で利用されている。
キチンNFは動物の皮膚のけがの治療に使われており、東助教は今回、マウスでアトピー性皮膚炎への効果を調べた。35日間の実験で、キチンNFや市販の治療薬として使われるステロイド剤などを週3回、それぞれのマウスに塗って結果を比較。キチンNFを塗ったマウスのほうが肌の乾燥や赤みは、見た目で改善されたという。かゆみを引き起こす物質の一つ「免疫グロブリンE」の数値が、何も塗らない状態より約3分の1に減少した。
キチンNFの保湿性の高さが症状の改善に役立っているとみられるという。東助教は「メカニズムをさらに明らかにし、副作用があるステロイド剤を使う量や回数を減らすことにつながればいい」と話している。
   毎日新聞2016年4月10日
   
  「アレルギーに関する意識調査」 
   
  「アレルギーに関する意識調査」 調査概要
調査期間 : 2016年1月9日〜1月12日
調査方法 : インターネットリサーチ
調査対象 : 0〜3歳の子どもを持つ男女各200 人ずつ 計400人
25歳〜30歳、31歳〜35歳、36歳〜40歳、41歳〜45歳 各グループ50人

●もっともアレルギーを感じる月は3・4月がピーク時期
●3家族の内、1家族という割合で、家族の誰か1 人以上がアレルギーになっている
●パパとママともにアレルギーの場合、子どものアレルギー発症率は、パパとママどちらもアレルギーでない場合の約5倍
●アレルギー発症率はママや子どもよりもパパの方が高い
●子どもの食物アレルギーは医師の診断で分かっている割合が11%となり、10人に1人以上の割合で発症している
●アレルギー対策として、乳酸菌を摂取したことがある人は4人に1人
●乳酸菌をママと赤ちゃんにとって必要と半数近くにあたる43%が回答
●母乳の成分の中で免疫成分と言われるたんぱく質のTGF-βも17%の認知に
   詳細:ビーンスターク・スノー株式会社
   
  資生堂、「スギ花粉」が肌のバリアー機能を破壊することを発見 
   
  花粉が、肌のバリアー機能を破壊することを発見した。
資生堂は、スギ花粉に含まれる「抗原タンパク質」が、乾燥や外部刺激から肌を守る「バリアー機能」を低下させ、肌荒れの原因になることを発見したと発表した。
スギ花粉の抗原タンパク質が、目や鼻のアレルギー症状を引き起こすことは知られていたが、皮膚の表皮細胞への作用を科学的に実証したのは、初めてだという。
資生堂は、アトピー性皮膚炎や、肌荒れの根本治療につながる基礎知見としていて、バリアー機能の仕組みを解明したいとしている。  
   FNN2016年2月21日
   
  被災経験の有無でアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患の有病率が2倍に
   
   仮設のカビ」健康影響調査 東北大災害研 東日本大震災の仮設住宅で多発するカビなどの問題を踏まえ、東北大災害科学国際研究所は24、25の両日、宮城県石巻市の仮設住宅団地や周辺に住む未成年者を対象に、カビ、ダニが健康に及ぼす影響を調べる集団検診を実施する。
東北大が震災後に行った子どもの健康調査では被災経験の有無でアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患の有病率が2倍異なった。
災害研は今回、仮設住宅のカビ問題を調べる国立医薬品食品衛生研究所(東京)の分析から、カビ、ダニアレルギーが原因の一つと推定。集団検診でアンケートや採血などを行い、原因解明と予防策の確立につなげる。
災害研の栗山進一教授(災害公衆衛生学)は「アレルギー性疾患は年齢が低いほど影響が大きく、苦しむ子どもが増えることを危惧している」と話した。
会場は開成地区の福祉仮設住宅「あがらいん」。両日とも定員30人で要予約。締め切りは9日。検診結果は半年後に郵送する。
連絡先は災害研022(274)6091。
   河北新報2015年10月07日
   
  生理学研究所、脳へ微弱な電流を流すことで「かゆみ」を抑制できることを発見 
   
  生理学研究所は12日、同研究所の柿木隆介教授と中川慧研究員(現所属:広島大学)らが、脳に微弱な電流を流す「経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)」によるかゆみ知覚の抑制効果を明らかにしたと発表した。今後、アトピーなど慢性的なかゆみを有する患者に対する、かゆみ抑制方法の一つとなることが期待されるという。 かゆみは、掻破(かくこと)で抑制されることはよく知られている。しかし、掻破は快感を伴うため、常に掻きたいという思いから、過剰な掻破を引き起こしかねない。特に、アトピー性皮膚炎などの慢性的なかゆみに悩まされる患者にとっては、過剰な掻破により新たな皮膚損傷を引き起こされるといった悪循環を引き起こす。そのため、掻破に変わる新たな抑制法の発見・開発は、痒みに悩まされる患者にとって大きな意義をもつ。 そこで研究グループは、大脳皮質感覚運動野を非侵襲的に刺激することで痛み知覚が抑制されるという現象に注目し、かゆみ知覚に対しても同様の抑制効果がみられるかどうか検討した。脳刺激には、微弱な電流を流すことで大脳皮質の興奮・抑制性をコントロールする経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation; tDCS)を用いた。 その結果、tDCSを15分間施行したところ、ヒスタミン刺激に対する痒み知覚が減少し、さらに痒みの持続時間が短縮することが分かった。 研究グループの柿木隆介教授は「今回の研究結果は、痒みの抑制に対する大脳皮質刺激の効果を実験的に検討した初めての報告です。本研究結果は、今後の新たな痒みの抑制法の開発につながる成果だと期待できます」と話している。 研究結果は、Clinical Neurophysiology誌2015年9号に掲載される予定。論文タイトルは、「A transcranial direct current stimulation over the sensorimotor cortex modulates the itch sensation induced by histamine」。 今回の研究は文部科学省 科学研究費補助金、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業、革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)の補助を受けて行われた。(町田光)
   財経新聞2015年8月9日
   
  アトピー性皮膚炎に意外な「特効薬」? 米エール大研究、中〜重度患者の症状改善
   
  米エール大学医学大学院の研究チームは2015年7月15日、関節リウマチ治療薬の「トファニシチブ」を服用すると中〜重度のアトピー性皮膚炎の症状を緩和できるとの研究結果を、米国皮膚科学会誌「Journal of the American Academy of Dermatology」オンライン版で発表した。
トファニシチブは免疫を抑制することで、関節リウマチによる炎症や痛み、関節破壊を抑える治療薬。国内でも「ゼルヤンツ」の名称で販売されている。その性質上、皮膚の炎症にも効果があるのではないかと考えられていた。

研究チームは実際に効果があるか検証するため、ステロイドなどによる治療が失敗した中〜重度のアトピー性皮膚炎患者6人に、29週間に渡ってトファニシチブを経口投与し、皮膚炎症の面積やむくみ、紅斑の状況をスコア化して観察した。その結果、患者全員に平均して66.6%のスコア低下が確認され、症状の改善がみられた。

研究者らはトファニシチブがアトピー性皮膚炎の改善、緩和に有効である可能性があるとしつつ、研究のサンプル数が少なく偽薬試験やバイアスの確認ができていない点、トファニシチブは厳格なガイドラインを守って使用しなければ重篤な副作用が起きる薬剤である点をあげ、今後、検証が進むまではアトピーの治療には用いないようコメントしている。
   エイジングスタイル2015年8月9日
   
  トランス脂肪酸は、アレルギー疾患を増加させる。アメリカでは2018年までに全面禁止に! 
   
  米食品医薬品局(FDA)は16日、食用油などに含まれ、肥満や心臓病との関連が指摘されるトランス脂肪酸を、2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表した。 FDAは13年に廃止方針を示して科学的妥当性を検討してきたが、最終的に食品に使う上で「安全とは認められない」と結論づけた。食品業界は3年間で代わりの添加物を使うなどの対応が求められる。FDAは「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐことができる」とみている。 トランス脂肪酸は油脂の加工過程ででき、食品の保存期間を延ばす効果もある。摂取すると悪玉コレステロール値が高まり、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こすリスクが増すとの研究結果が多く示され、FDAは06年に食品中の含有量表示を義務化した。
   【ワシントン共同】2015.6.17
 
トランス脂肪酸は、心筋梗塞や狭心症のリスクを増加させ、肥満を発症させやすく、アレルギー疾患を増加させ、胎児の体重減少、流産、死産を生じさせる可能性があること、母乳を通じた乳児へのトランス脂肪酸の移行が研究等で確認されている   
 
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  黄色ブドウ球菌対策が有効か=アトピー性皮膚炎―慶大など
   
  アトピー性皮膚炎とよく似た症状を示すマウスを遺伝子操作で生み出したところ、皮膚に生息するさまざまな細菌群の中で黄色ブドウ球菌が異常に増えて発症に至ったと、慶応大と米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが21日付の米科学誌イミュニティ電子版に発表した。
 アトピー性皮膚炎の患者では、症状がひどくなると皮膚の細菌群の半分以上が黄色ブドウ球菌で占められる例が知られる。今回のマウス実験の結果から、皮膚の細菌群を正常化することが新治療法になる可能性が示された。ただ、細菌を退治する抗生物質を使うと、腸内の細菌群に悪影響が及ぶとみられ、工夫が必要になるという。
慶応大医学部の永尾圭介元専任講師らが、皮膚の細胞の分化や機能を調節する酵素「ADAM17」ができないマウスを生み出したところ、乾燥肌やアトピー性皮膚炎のような症状を示した。
離乳直後から抗生物質を投与し続けると皮膚の細菌群が正常な状態を保ち、皮膚炎の発症を抑えられたが、10週目で投与をやめると黄色ブドウ球菌が増えて発症した。 
  Yahoo!ニュース2015年4月22日 
   アトピーに大敵な黄色ブドウ球菌やカビの除菌スプレー
   
  早期摂取でアレルギー抑制 ピーナツで英研究チーム 
  生後5〜11カ月からピーナツを含む食品を取り続けた子どもは、食べるのを避けていた子どもに比べて5歳の時点でピーナツアレルギーを発症するリスクが70〜86%低かったとする疫学研究結果を、英研究チームが米医学誌に23日発表した。研究対象としたのは開始時点でピーナツアレルギーはないが、アトピー性皮膚炎や卵アレルギーがあり、発症するリスクの高い子どもたち。チームは「アレルギーを恐れてピーナツの摂取を避けることには疑問がある」と指摘。
     【共同通信】2015年02月24日
   
  皮膚弱まりアレルギー 英で研究報告「保湿不足で抗原侵入」 
 

異物の侵入を防ぎ、刺激や乾燥から体を守る皮膚のバリアー。その弱さが、さまざまなアレルギーの病気の発端になるという説が注目されている。アレルギーは免疫が過剰に反応して起こるが、皮膚のバリアーを高めて予防につなげようという研究も進む。  
●表皮たんぱく質重要 皮膚のバリアーが着目されるきっかけになったのは、2006年の英国での研究だ。皮膚の表面(表皮)にある角質層の主要なたんぱく質「フィラグリン」にかかわる遺伝子に変異があると、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなると報告した。フィラグリンは分解されると天然の保湿成分として働き、皮膚のバリアーの形成や水分を保つのに重要な役割を果たすとされる。 名古屋大の秋山真志教授(皮膚科学)によると、この遺伝子に変異があると、フィラグリンをつくる量が半減またはなくなってバリアー機能が弱まり、アレルギーを起こす抗原が体内に入りやすくなると考えられる。 秋山教授らが日本人で調べたところ、アトピー性皮膚炎の人の27%に変異があった。
ただし、変異があっても発症しない人もおり、「気候や生活習慣なども影響する。ほかにも皮膚のバリアーにかかわる遺伝子があるかもしれない」と説明する。 慶応大の天谷雅行教授(皮膚科学)らは、死んだ細胞の積み重なりとされてきた角質層を詳しく調べた。すると、水分保持層などの3層で構成され、バリアーの機能を発揮していた。3層を通過した抗原を、免疫反応をつかさどる活性化した「ランゲルハンス細胞」が突起を伸ばして取り込む様子を可視化することに成功。過剰な免疫反応であるアレルギーが、皮膚経由で起きる仕組みの一端を解明した。だが、炎症やかゆみがなぜ起こるのかは解明されていない。 気象庁のデータでは、ここ100年で都市部の湿度は15%ほど減少し、皮膚の水分が失われやすくなっている。天谷教授は「皮膚にとっては厳しい環境だ。洗いすぎも角質層のバリアーを失わせるので、体をごしごし洗う必要はない」と助言する。  
●乳児期の湿疹原因か
英国では、ピーナツアレルギーの子は、ピーナツ由来のオイルを塗る頻度が高かったという報告がある。食品を食べなくても、皮膚から微量に取り込まれることで、食物アレルギーを発症する可能性がある。 「バリアー機能を高めれば、アレルギーの発症を抑えられるのではないか」。国立成育医療研究センターなどのチームはこうした仮説をもとに、生後間もない乳児に毎日、保湿用の乳液を約8カ月間塗ってもらい、アトピー性皮膚炎の発症の有無を調べた。その結果、スキンケアをしていない乳児に比べて、発症率が3割少なくなり、バリアーを高めることが発症予防につながることを示した。また、湿疹や皮膚炎のある乳児は、卵アレルギーを起こす可能性を示すIgE抗体の値が高かった。 子どもの場合、成長とともに、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎と進む傾向があるため、「アレルギーマーチ」と呼ばれる。同センター研究所の松本健治・免疫アレルギー研究部長は「乳児期に湿疹があると、さまざまな抗原が入りやすくなって、アレルギーマーチを引き起こすと考えている。湿疹を放置せずに早く治療することが食物アレルギーやぜんそく、花粉症などの発症予防につながる可能性がある」と推測。同センターを中心に臨床研究に取り組む計画だ。【下桐実雅子】

   毎日新聞 2014年12月18日
   
  疥癬(かいせん)」猛烈なかゆみ、老人ホームなどで集団感染
 
あなた自身、あるいはあなたの家族が老人施設などに入所していて、夜になると腹や胸、手、足、肘、脇の下などが猛烈にかゆくて眠れないほどなら、疥癬(かいせん)かもしれない。疥癬はダニの一種のヒゼンダニ(体長0・2〜0・4ミリ)が皮膚に寄生することで発症するが、顔と頭には寄生しない特徴がある。以前は性感染症の一つとされていたが、近年は老人ホーム、養護施設、病院などで集団感染する事例が増えている。
そういう施設に入所している家族を見舞いに行って感染するケースも少なくない。 感染したヒゼンダニのメスが交尾をすませると、皮膚の内部に「疥癬トンネル」と呼ばれるトンネルを掘りながら1日に2〜3個、約6週間の間に100個以上の卵を産む。孵化(ふか)した幼虫はトンネルを出て、毛穴に潜り込んで約2週間で成虫になる。ヒゼンダニの虫体や糞(ふん)が人にアレルギー反応を起こさせ、発疹や猛烈なかゆみを引き起こす。かゆみは、あらゆる皮膚疾患の中で最高度のかゆみとされる。
感染してから症状が出るまで1〜2か月かかる。年間8〜15万人が感染していると推定されるが、意外に知られていないため、湿疹やアトピー性皮膚炎と間違われることが多い。しかし、ステロイド剤を塗ると一時的にかゆみは治まるが、かえって悪化する。疥癬の検査は、症状がある部分からピンセットなどで皮膚の一部を取り、顕微鏡でヒゼンダニの虫体や卵を確認すれば診断が確定する。 治療は、かゆみ止めに抗ヒスタミン薬の飲み薬を使う。ヒゼンダニを駆除するには塗り薬と飲み薬がある。イオウ剤やオイラックスクリームなど塗り薬を首から下の全身にくまなく塗る。
飲み薬はストロメクトール錠を1、2回内服する。適切な治療なら1か月ほどで軽快する。 疥癬を人に感染させないために、入浴時のタオルなど肌に直接触れるものは自分だけで使用し、パジャマや下着は毎日交換する。ヒゼンダニは50度以上、10分間で死滅するので、タオルや下着の洗濯は熱湯をかけるか、乾燥機を使う。(医療ジャーナリスト・田中 皓)
   スポーツ報知 2014年12月6日
   
   「秋掃除」がアレルギー対策に効果アリ ダニ、カビ増殖抑え快適に 
   
 サイクロン式で知られるダイソン(東京都千代田区)は今年発売した掃除機「DC63」について、ダニなど細かいゴミを取り除く効果を強調。カーペットに入り込んだゴミを取り除くブラシに加え、隙間掃除用や布団の吸い取り用のツールも付いたタイプもある。 掃除機に取り付けるダニ対策用ブラシも売られている。東芝ライフスタイル(東京都青梅市)の「ダニトルピー」は掃除機に接続して布団のダニを吸い取るブラシ。同社の掃除機のほか、他社の掃除機の中にも接続できる機種がある。 ■室内に浮遊するカビ、冬も増殖データでも、カビが夏に限らず冬も増殖することが分かる。
 エフシージー総合研究所が平成23年1〜12月、埼玉県の戸建て住宅で室内に浮遊するカビの数を調べたところ、冬場も増殖していた。 調査によると、1立方メートル当たりのカビの数は7月から8月にかけて急激に増殖し、最もカビの少なかった春頃の20倍以上となった。 8月をピークに減少、11月にはピーク時の3分の1程度となるものの、その後は再び増加に転じた。こうした傾向は、たいていの住宅で同様にみられるという。
 こう話すのは、ダニやカビ研究で知られるエフシージー総合研究所(東京都江東区)の川上裕司・環境科学研究室長だ。川上さんが住宅を調査すると、床に物がたくさん置かれて掃除しづらいうえ、結露の起きやすい窓側にベッドが置かれているケースが多い。湿気を含んだマットレスを放っておくとダニやカビに快適な場所を与えてしまう。「秋のうちに大型家具を動かし、家具の下の点検を。寝具やカーペットは冬物に入れ替える際に掃除機で吸い取って」と川上さん。掃除機メーカーもダニやカビの胞子などを取り除く対策に力を入れる。   安全なカビ対策スプレー

◆掃除機が続々 秋掃除によるアレルゲン除去の重要性を打ち出したのは独清掃機器大手、ケルヒャーの日本法人(宮城県大和町)。同社が今年、日本で発売した「水フィルター掃除機」は紙パック式やサイクロン式と違い、水をためた本体内のコンテナにゴミを吸い取る仕組み。ダニやカビを水に閉じ込め、捨てるときもゴミが舞うことがないのが特徴という。同社は「秋は夏に繁殖したダニの糞(ふん)や死骸が蓄積されて増加し、ダニアレルゲンの数がピークを迎える。排気もきれいな掃除機での秋掃除をお勧めします」としている。
サイクロン式で知られるダイソン(東京都千代田区)は今年発売した掃除機「DC63」について、ダニなど細かいゴミを取り除く効果を強調。カーペットに入り込んだゴミを取り除くブラシに加え、隙間掃除用や布団の吸い取り用のツールも付いたタイプもある。 掃除機に取り付けるダニ対策用ブラシも売られている。東芝ライフスタイル(東京都青梅市)の「ダニトルピー」は掃除機に接続して布団のダニを吸い取るブラシ。同社の掃除機のほか、他社の掃除機の中にも接続できる機種がある。■室内に浮遊するカビ、冬も増殖 データでも、カビが夏に限らず冬も増殖することが分かる。エフシージー総合研究所が平成23年1〜12月、埼玉県の戸建て住宅で室内に浮遊するカビの数を調べたところ、冬場も増殖していた。 調査によると、1立方メートル当たりのカビの数は7月から8月にかけて急激に増殖し、最もカビの少なかった春頃の20倍以上となった。 8月をピークに減少、11月にはピーク時の3分の1程度となるものの、その後は再び増加に転じた。こうした傾向は、たいていの住宅で同様にみられるという。
   産経ニュース2014.10.20
   
  アトピー性皮膚炎:保湿剤で乳児の発症率3割減少
 
 乳児に保湿剤を毎日、約8カ月間塗ることでアトピー性皮膚炎の発症率を3割減らせたと、国立成育医療研究センターのチームが1日、発表した。保湿剤に予防効果があることを示したのは世界で初めてという。
チームは2010年から約3年間、両親や兄弟にアトピー性皮膚炎の患者や経験者がいる乳児118人を、(1)1日1回以上、入浴後などに保湿剤を全身に塗るグループ(2)特別なスキンケアをしないグループに分類。生後1週間から約8カ月間継続し、専門医が発症の有無を診断した。
 その結果、保湿剤を塗ったグループの発症率は特別なスキンケアをしなかった場合に比べ、32%減ることが分かった。乾燥などで皮膚の機能が低下するのを防いだためと考えられる。 また、アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多い。食べ物の成分(抗原)が機能の低下した皮膚から体内に侵入することが一因とされ、今回も、発症した乳児は、未発症の乳児に比べて、卵アレルギーの可能性を示す抗体値が高くなっていた。 国内では未就学児の10%〜30%がアトピー性皮膚炎を患っているとされる。同センターの大矢幸弘アレルギー科医長は「アトピー性皮膚炎には他の要因もあり、保湿剤で完全に防げない。しかし、アトピー性皮膚炎の予防が、食物アレルギーの発症予防にも大事だ」と話す。
【下桐実雅子】
   毎日新聞 2014年10月01日
   
  皮膚病にご用心「長期なら内臓疾患も」 三重大が米科学誌に発表
   
  アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など皮膚病が長期間続くと、動脈硬化や体重減少、内臓の機能不全などが生じる可能性があることを三重大のグループがマウスの実験で突き止め米オンライン科学誌プロスワンに発表した。グループの山中恵一准教授(皮膚科学)は「皮膚病を放置したり、不十分な治療しかしていなかったりするケースが多い。専門医に診てもらい、きちんと治してほしい」と話している。 研究グループによると、乾癬にかかった患者は、そうでない人に比べて平均寿命が短いことや、心筋梗塞などになりやすいことが指摘されていたが、具体的なメカニズムは分かっていなかった。 グループは、皮膚に炎症を起こすサイトカインというタンパク質が影響していると考え、生後、一定期間後に皮膚炎を起こすマウスを遺伝子操作で作って長期間観察。すると、動脈硬化や心臓の肥大化、脂肪細胞の燃焼による体重減少、肝臓や腎臓など臓器の機能不全が見られた。 サイトカインの一種、「インターロイキン1」が過剰に分泌され、血液を通じて体内を循環したことで疾患が生じたと考えられ、これを抑制する抗体を投与すると、症状が改善したという。
   産経ニュース2014年9月9日
   
  アレルギー性鼻炎の一種、発症の仕組み解明 兵庫医大
   
  アレルギー性鼻炎のうち、もともとアレルギー疾患になりやすい体質「アトピー体質」ではない人が発症するタイプの仕組みを、兵庫医科大(西宮市)の研究チームがマウスの実験で解明し、米オンライン科学誌プロスワンに発表した。早期発見すれば、進行を予防できる可能性がある。 アトピー体質のアレルギー性鼻炎では、アレルギーの原因物質と結び付くタンパク質(IgE抗体)が血液中で増える。しかし血液中では増えず、鼻粘膜からだけ検出されるタイプ「局所性アレルギー性鼻炎」の存在も指摘されていた。 チームがマウスに7日間、毎日ブタクサ花粉を点鼻すると、鼻粘膜にIgE抗体や抗体の生成を促すリンパ球の一種(T細胞)が確認でき、血液中は陰性という局所性アレルギー性鼻炎になった。さらに3週間、毎日点鼻すると、アトピー体質と同様、血液中のIgE抗体も増加。花粉を吸入させると、ぜんそくの症状も出た。 同大免疫学・医動物学講座の善本知広主任教授(56)は「局所性を早期発見し、T細胞の機能を阻害する薬を投与すれば、ぜんそくなど他のアレルギー疾患の合併を防げる」と話す。(片岡達美)
  神戸新聞 2014年8月20日  
 
  アトピー性皮膚炎改善、寄生虫関与の仕組み解明
   
  群馬大大学院医学系研究科の石川治教授(皮膚科学)らの研究グループは19日、寄生虫の感染でアトピー性皮膚炎が改善する仕組みを解明したと発表した。 仕組みを応用すれば、新たな治療法の開発につながると期待されるという。グループは、アトピー性皮膚炎が先進国で多く、発展途上国で少ない原因の一つとして、寄生虫の感染が関係していると考えられていることに着目。 湿疹があるマウスに、寄生虫のマラリア原虫を感染させたところ、感染症状が進むにつれて湿疹が改善したという。その皮膚を調べた結果、免疫力に関係するナチュラルキラー(NK)細胞が増加していることが分かった。一方、NK細胞が増加しないよう薬剤を投与したマウスでは、湿疹は良くならなかった。また、マラリア感染で増加したNK細胞を、湿疹がある別のマウスに静脈注射したところ、症状が改善したという。 天野博雄講師は「感染でNK細胞が増加する仕組みを解明し、感染以外の方法で増やすことができれば、新たな医薬品の開発などにつながる可能性がある」としている。
   読売新聞 2014年08月20日
   
  アレルギー:反応起こすたんぱく質特定 新薬開発に光
   
  アトピー性皮膚炎や花粉症、ぜんそくなどアレルギー反応が起きる過程で、ドック5と呼ばれるたんぱく質がカギを握っていることを世界で初めて発見したと九州大学の福井宣規(よしのり)主幹教授(免疫学)らの研究班が発表した。アレルギー治療の大半は対症療法だが、福井氏らは「アレルギーを根元から絶つ新薬の開発につながる」としている。 アレルギーは体内に入ってきた異物が抗体と結びつく抗原抗体反応が暴走し起きる。その際、白血球の一種、マスト細胞がヒスタミンなどを出すことは分かっていたが、マスト細胞内の細かな仕組みは未解明だった。福井氏らはマスト細胞内のたんぱく質ドック5に着目。通常のマウスでは、体内の異物に強いアレルギー反応を起こすが、ドック5がないマウスをつくり同じ実験したところ、反応が起きなかった。さらにマスト細胞内の動きを調べると、ドック5がないマウスではヒスタミンを出すための管が働かなかった。 福井氏らは花粉症や食物アレルギーなど異物侵入後、短時間で反応を起こす即時型アレルギーの過程で、ドック5がマスト細胞内で別の分子と結びついてヒスタミンを放出することを特定した。 福井氏は「ドック5などの働きを抑えることで発症そのものを防ぐ薬の開発につながる」と話している。研究の結果は9日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン電子版に掲載された。【関東晋慈】
  毎日新聞 2014年06月10日 
   
  新生児から保湿でアトピーリスクが3割軽減
  赤ちゃんが生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約3割下げられるとする研究結果を、国立成育医療研究センターなどがまとめた。アトピーは乾燥などで皮膚の防御機能が乱れると発症すると考えられている。新生児のうちから適切な対処をすれば、予防できる可能性が高いという。京都市で9日に開かれる日本アレルギー学会春季臨床大会で発表する。 親か兄弟がアトピー性皮膚炎と診断されている赤ちゃん116人を対象に比べた。1日1回以上体を洗った後、皮膚が乾燥している部分だけにワセリンを塗るグループと、全身に乳液状の保湿剤を塗るグループにくじ引きで分け、32週後のアトピー発症率を調べた。ワセリンを塗った子は58%が発症したが、保湿剤を塗った子の発症は37%にとどまった。

統計学的にみて発症のリスクを約3割下げられたという。アトピーの発症はその後、食物アレルギーやぜんそくなどが次々と現れる状態のきっかけになると指摘されており、早期予防が重要とされる。
    朝日新聞 2014年05月09日 
   
  シスメックス アトピー性皮膚炎の重症度判定試薬発売17分で検査可能に
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シスメックスは4月21日、塩野義製薬と共同で開発したアトピー性皮膚炎の重症度を判定する試薬「HISCL TARC試薬」を23日に発売すると発表した。これまでの製品は、院外の検査センターでの測定が必要で、測定時間は3時間15分かかっていた。今回発売する試薬は、同社の全自動免疫測定装HISCL-5000やHISCL-2000iで使用でき、約17分で検査可能になる。院内検査室で測定することで、診療前に検査でき、治療方針の決定にかかる時間や患者の待ち時間の短縮が期待できるという。 この検査試薬は、患者の皮膚細胞で産生されているTARCというたんぱく質を測定し、重症度を判定する。TARC検査は、従来の血液検査値(血清総IgE値、好酸球数、LDH)に比べ、病勢を鋭敏に反映するマーカーとして、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(日本皮膚科学会雑誌2009年)に掲載されているという。この試薬は化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)の原理を利用した測定キット。保険点数は194点。 製造販売元は塩野義製薬、販売はシスメックスが行う。
  ミクスonline 平成26年4月23日
   
  アレルギー物質:表示、厳格化へ…加工食品で消費者庁方針
 


消費庁が示したアレルギー物質を含む加工食品の表示案(例)

現行  変更後 
マヨネーズ マヨネーズ(卵を含む) 
オムレツ   オムレツ(卵を含む) 
 うどん   うどん(小麦を含む)
 パン   パン(小麦を含む}
ヨーグルト  ヨーグルト(乳成分を含む)
生クリーム  生クリーム(乳成分を含む)

新たな食品表示制度を検討中の消費者庁は17日、アレルギー物質を含む加工食品について、同物質の記載の必要がない一部食品の表示方法を改め、消費者の誤認を避けるために記載を義務づける方針を明らかにした。アレルギー物質では現在、卵、乳、小麦など7品目が加工食品で表示を義務化され、大豆など20品目で表示を推奨されている。

現状で認められている表示方法は、
(1)原材料の直後に括弧書きで記載
(2)アレルギー物質と理解できる代替表記(エッグ、コムギなど)
(3)同物質を含む食品名(厚焼き玉子など)
(4)同物質を商品名には含まないが、一般には同物質を用いていると認識されている一部の食品名(マヨネーズなど)がある。
このうち(4)について、卵を材料としない「大豆マヨネーズ」を使う卵アレルギー患者にとってはマヨネーズに卵を用いる認識がないなど、「特に子どもが誤認する可能性がある」と問題視された。このため、同庁は(4)の方法を認めず、同物質の記載を義務づけることにした。この見直しに伴い、例えば「うどん」について、変更後は「小麦を含む」との記載が必要になる見込み。【江口一】
   毎日新聞 2014年4月18日
   
  おむつかぶれの仕組み解明 京大助教ら新治療法期待
 

「おむつかぶれ」など刺激物が皮膚に触れて炎症が起こる刺激性皮膚炎の仕組みの一端を、京都大医学研究科の中嶋千紗助教らのグループがマウスの実験で突き止めた。2種類の白血球が関与することで炎症を悪化させていた。副作用があるステロイド外用薬を使わない治療法の開発が期待される成果といい、米科学誌で11日に発表する。
これまでの研究で、白血球のうち好酸球と好塩基球の2種類がアトピー性皮膚炎などアレルギー反応と関連することが分かっている。グループは、2種類とも外部からの刺激で起きた炎症部分に集まることに着目した。
遺伝子操作で▽好酸球が多い▽好酸球がない▽好塩基球がない−3種類のマウスを作製。これらのマウスの皮膚に炎症を起こす薬剤を塗ると、好酸球がないと炎症が軽く、多いと炎症がひどくなった。好塩基球がないと好酸球が皮膚の炎症部分にあまり集まらず、好塩基球が好酸球を引き込むことに関わっていることが分かった。
中嶋助教は「好酸球と好塩基球をターゲットにして新しい治療法が考えられるのではないか」と話している。

   京都新聞 2014年4月11日
   
  子どもの吸入ステロイド薬、慎重に 身長伸び抑える恐れ
   
日本小児アレルギー学会は、子どもの気管支ぜんそくの治療で広く使われている吸入ステロイド薬を、より慎重に使うよう注意喚起する声明を出した。副作用で子どもの身長の伸びを抑える可能性が、海外で報告されたためだ。ただ、治療の効果は大きいため、病状をこまめに調べて、使うのは必要最少量にすることを求めている。
15歳以下の小児ぜんそくは、20人に1人程度いるとされている。発症するのは0〜1歳の乳幼児が多い。ダニなどへのアレルギー反応で気管支に炎症が起こるのが原因だ。発作が治まった後も炎症が続くため、発作の防止には治療を長期間続ける必要がある。
よく使われるのが吸入タイプのステロイド薬。しかし、子どもの身長の伸びが抑制され、その影響は成人した後も続くという報告が、3年ほど前から米国で相次いだ。患者約950人の調査では、5〜13歳から吸入ステロイド治療を4〜6年間受けた患者は、この薬を使わなかった患者と比べて、成人後の身長が平均1・2センチ低かったという。

こうした報告を踏まえ、同学会は25日に見解を示した。見解では、身長の伸びに最も影響を受けやすいとされる乳幼児は、軽症ならばステロイド以外の薬を最初に使うと指摘。のどが週1回以上ゼーゼーするなど中等症以上の場合は、年齢にかかわらず吸入ステロイドを最初に使うことが適切とした。体格に応じた使用量の基準がないため、少量から始めて効果を見極めていくことを勧めている。

ステロイドの大量使用には、骨の成長を阻害するなどの副作用があることはわかっていた。これまでは、吸入タイプは気道や肺など限られた部分にしか薬が届かないことなどから、副作用は少ないと考えられてきた。また、身長の伸びが一時的に抑えられても、成人になれば差はなくなると考えられてきた。

見解をまとめた同学会の浜崎雄平・ガイドライン委員会長(佐賀大教授)は「吸入ステロイドは小児ぜんそく治療の根幹をなす薬。患者や保護者は自己判断で減量や中止をせず、担当の医師と相談してほしい」と話す。(大岩ゆり)
   朝日新聞 2014年01月27日 
   
  ぜんそく:抗生物質で悪化も 腸内でカビ増殖
 
抗生物質を服用することで腸内細菌のバランスが乱れ、ぜんそくの症状が悪化することを、筑波大や米ミシガン大などの研究チームが動物実験で確かめた。腸内にカビが増える一方で「善玉菌」の乳酸菌が減っており、ヒトにも同じ仕組みがあると見ている。成果は米科学誌「セル・ホスト&マイクローブ」電子版に掲載された。【相良美成】 研究チームの渋谷彰・筑波大教授は「アレルギー発生のメカニズムは基本的に同じなので、花粉症やアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー性疾患の治療にも役立てることができる」と話している。 ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの発症には、腸内細菌が影響していることが知られているが、その仕組みはわかっていない。 研究チームは、マウスに5種類の抗生物質を2週間投与した後、人工的にぜんそくを発症させて詳しく調べた。そのうち、感染症治療に使われる抗生物質を投与したマウスは、投与しないマウスに比べて気管支での炎症細胞の数が倍増し、ぜんそく症状が悪化した。腸内を調べたところ、乳酸菌が減り、代わりにカンジダというカビの一種が異常に増殖していた。カンジダを抑える薬を投与することで症状は改善した。 渋谷教授は「抗生物質により腸内細菌のバランスが崩れ、ぜんそくが悪化することを証明できた」と話す。
   毎日新聞 2014年1月20日 
 
 

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